」カテゴリーアーカイブ

Dandy Lion > ニューポットから考えるウィスキー

ニューポットから考えるウィスキー

ニューポットから考えるウィスキー

Japanese Whisky

近年のウィスキーブームに後押しされるように(雨後の竹の子のように…?)日本各地でウィスキー蒸溜所の建設ラッシュが続いているのはご存じかと思います。そして続々と各蒸溜所のニューポットがリリースされています。
ちょっと前までニューポットなんて蒸溜所まで見学に行ってもなかなか飲ませてもらえなかったのに、いい時代になりましたね~。

で、ここでちょい待ち。一部のお客様から「ニューポット」って何?という質問が寄せられたのでここで書いておきます。

以前に当ブログ「ウィスキー初球の初級」で軽く触れましたが、そもそもウィスキーとは、①穀物(大麦麦芽)を原料として発酵、②約95%未満で蒸溜し、③容量700リットル以下のオーク樽に詰めて④国内で3年以上貯蔵・熟成したもの、というのが大体のウィスキー好きの認識だと思います。(もちろん国によって法律は違いますし、例外もあります)
大事なのは穀物原料の蒸留酒で樽熟成ってとこでしょうか。

では、樽で寝かせる前の蒸留したての液体はといえば、何と呼べばよいのでしょう。
これが「ニューポット」です。「ニュースピリッツ」とも言いますね。無色透明の液体で、70%前後くらいの度数があります。これに加水して度数を63%前後まで落としてから樽に詰めるわけですね。

スコッチでは樽熟成を経て3年以上経過すると「ウィスキー」と呼称することができますが、それまでの若い(熟成3年未満の)原酒はやはり「ニューポット」と呼ばれます。

で、ここからが書きたかったポイントですが、実は日本の法定義にはそもそも「ウィスキーに樽熟成の義務はない」んです。(酒税法3条15号/詳しくは国税庁ホームページ参照…笑)
さらに言えば、買ってきたウィスキーやスピリッツを混ぜてもウィスキーと表記ができるんです。海外からの輸入原酒をブレンドしてもジャパニーズウィスキーの表記ができるってスゴイですよね。

実際に、市場に出回っているジャパニーズウィスキーとして販売されている銘柄の中に海外原酒100%のものもあります。ラベルは漢字で書かれてたりしますが…。
(注:しっかりとしたコンセプトのもとにブレンドし、ワールドウィスキーとして販売している良心的なメーカーもいますので、安心してください)

ここで、文頭の話題に戻ります。
最近続々と登場する日本の蒸溜所の「ニューポット」、なぜウィスキーと表記しないのでしょうか。
それは…造り手の矜持(きょうじ/プライド)だと思うのですよ、ワタクシは。

日本の酒税法上はウィスキーですが、造り手としては生まれたての原酒に対してまだ「ウィスキー」と呼びたくない、本格的なウィスキーの製法に則って成長途中の「ニューポット」として味を見てほしい、そんな気持ちの表れなのだろうと勝手に推測します。

私は現場を見るのが好きなので、スコットランドを含め多くの蒸溜所に出向き現場を見てきましたが、今の日本の新しい蒸溜所の造り手の意気込みは目を見張るものがあります。
皆さんものすごく勉強して、苦労して汗かいて、素晴らしいウィスキーを作ろうと日々研鑽しています。そんな気持ちを少しでも飲み手に伝えるのが我々プロのバーテンダーの仕事だと痛感しています。

なんて、まじめなことを書いてしまいましたが…ぜひともこれからの日本のウィスキーの成長を皆さんにも見守っていっていただきたいですね。ホントいい時代に生まれたと思いますよ、マジで。

話はこの辺りで。今宵もウィスキーの声を聞いてみましょう。え?モルトウィスキーはうるさい(ラウド)だって…?その話はまた次の機会に…。

 

カテゴリー: Blog, Infomation, Whisky, 蒸溜所 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA